2015年3月27日 掲載
テーマは「災害救護のあゆみ ~これまで と これから~」
近い将来、南海トラフ大地震の発生が確実視される中、全国的な減災・防災への取り組みの契機となった阪神・淡路大震災や東日本大震災での経験と教訓を生かし、さらなる災害救護活動の充実・強化への取り組みが肝要となっています。
そこで、阪神・淡路大震災から20年となる本年、日本赤十字社兵庫県支部は創立125周年を迎えることから、これまでの災害救護の歩みを踏まえ、災害医療、災害看護などの観点から今後の災害救護のあり方を考える「災害救護のあゆみ ~これまで と これから~」と題した記念シンポジウムを3月19日、兵庫県看護協会(神戸市)において開催しました。
シンポジウムには約310人が出席。
東日本大震災時に、宮城県の災害医療コーディネーターとして、石巻赤十字病院で地域の災害医療を統括した石井正教授(東北大学病院)による基調講演と、兵庫県災害医療センターの中山伸一センター長を進行役に、小澤修一病院長(神戸赤十字病院)、中野則子会長(公益社団法人兵庫県看護協会)、金愛子副院長(石巻赤十字病院)、谷田健吾課長(日本赤十字社教護・福祉部救護課)及び石井正教授(東北大学病院)の5名のパネリストによるパネルディスカッションがおこなわれました。
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基調講演では、「東日本大震災における地域災害医療コーディネーションの経験から」をテーマに、大規模災害時には医療活動だけではなく被災地の健康管理のための公衆衛生対策をおこなうことが大切なこと、必要な情報を集めるため300カ所の避難所で調査を行ったことなどを紹介。このほか災害時において、日本赤十字社に求められる姿についてなどをご講演いただきました。
また、パネルディスカッションでは、「これからの災害救護で赤十字に求められる役割」をテーマに、阪神・淡路大震災や東日本大震災から得た教訓や気づかされたこと、災害医療、災害看護の視点から、今後の災害救護活動に必要なことなどを討論。
災害発生後の救護活動だけではなく、ボランティアや地域の中での防災・減災のための取り組み、災害関連死の防止やこころのケア、支援者へのメンタルヘルスケアなどの体制作りの重要性など、さまざまな観点から意見が述べられました。
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このたびのシンポジウムでの基調講演やパネルディスカッションでのさまざまな情報を通じて、日本赤十字社では多くのいのちを守るため、これまでの経験と教訓を生かし、関係機関と密接な連携のもと、災害救護活動のさらなる充実と強化に取り組んでまいります。
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